在沖米海兵隊は、3月下旬以降、新型コロナウィルス感染拡大を最小限に抑えるため、基地外での活動を制限するなど厳格な健康保護措置を講じてきました。7月上旬に普天間飛行場及びキャンプ・ハンセンで2カ所の集団感染が確認されたことを受けて、海兵隊は米軍及び沖縄県民の安全と保護を確保するために不断の努力を重ねてきました。周到な健康保護の取り組みにより、海兵隊は感染の拡大を抑制することができました。
=== 予防措置 ===
在沖米海軍病院の公衆衛生局長のエリン・ダフィー大佐は、新型コロナウィルスの拡大を防ぐには、次の三段階のアプローチが必要であると強調しています:1)病気がどこから発生しているのかを把握して境界を守る、2) 人との接触を減らすことで感染しにくくする、3)検査によって質の高い情報を収集する。
「検査すればするほど、多くの感染が確認できます。感染者を隔離し他の濃厚接触者を隔離することが早ければ早いほど、感染者を治療し、完治させ、ウイルスも探知し、除去することができます」とダフィー大佐は話しました。
在沖米軍は、三段階アプローチに加え、感染の現状を監視するサーベイランス検査も実施してます。
「サーベイランス検査とは、2週間ごとに人口の1%、または医療従事者の10分の1程度を検査することです。この検査には幅広い層が検査されることが重要です。その検査には兵舎に住む若い海兵隊員もいれば、学校に通う子供を持つ中高年層も含まれてます。様々な背景を持つ人達を確実に検査に含めるようにしています」とダフィー大佐は説明しました。
米軍関係者は、こうしたアプローチ及び検査を実施する以外にも、基地内外での不要な活動や行動を制限するなど、厳しい健康保護措置を講じています。
沖縄県新型コロナウイルス感染症対策本部の一員である高山義浩医師は次のように話してます。「米軍内での感染例はまだ続いていると思いますが、爆発的な流行にはならず、感染を抑え込んでいることから考えると、努力が形になっていると思います。一番有効な対策は活動の自粛です。海兵隊の中で、感染者がしばらく続いている間、皆さんが街中に出るのを控えて、じっとしていただいたのが一番有効な対策だったんだろうと思います。」
=== 米軍と沖縄の関係 ===
在沖海軍病院及び沖縄県保健医療部は、新型コロナウィルス発生前から長い間緊密に連携を取っていました。50年以上にわたって築き上げてきた相互信頼により在沖海軍病院には現在ある検査能力がなかった流行の初期段階で、基地外の病院で数人の検査を調整することができました。
困っている人たちに尽くすことに、境界があってはいけません。このような時こそ、協力し、強固な同盟関係を示し、社会全体の利益のために揺るぎない献身を再確認する時です。
「ウイルスを抑制したいという医療従事者の大望は、環境に関係なく皆同じです。抑制に取り組むために力を合わせている最前線に立つ医療専門家の間に障壁はありません」と在沖海軍病院の公衆衛生専門家渉外担当のベネット企子氏は語りました。
米軍が運用上の安全対策のため、情報共有を制限していましたが、前例のないウイルスの拡散のため、在沖米軍は7月末までに沖縄県との情報公開を開始し、県の保健当局者はこれにより安堵しました。
「非常に有益よく正確な症例の情報を米軍側が提供し始めて以来、すごく私たちは安心しました。こういう関係を今後も続けていただけたらと思います。大事なことは、お互いに情報きちんと公開して、『これだけ患者さんが出ている・どうして感染が広がってしまったのか』ということをきちんと調査して、お互いに報告し合うことです。そして、次に調査の失敗を繰りさえさないためにも、きちんと互いに取り組んでいくことが大事だと思います」とうるま市にある沖縄県立中部病院の感染症専門医の高山医師は語りました。
感染流行期間中、在沖海兵隊及び沖縄県は連携し、ウイルスの潜在的な感染を軽減するためにさらに協力しています。
「海兵隊は、沖縄県と非常に緊密に連携しており、県における新型コロナウィルス感染流行中もそうしてきました。県関係者が十分な情報を得た上で新型コロナウィルス関連の決定を下すことができるよう、我々は毎日県と連絡を取り合い、基地内の新型コロナウィルスの状況を認識していることを確認してます」と在沖海兵隊政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐は話しました。
=== 状況を改善するための追加措置 ===
沖縄は、長寿地域ブルーゾーンの一つの地域として知られています。感染流行中、沖縄における新型コロナウィルス関連の死亡率は、全国でトップ10位に入り、高齢者が感染した場合には重篤な症状を発症するリスクが高まります。
高山医師は、この島に一緒に住むコミュニティとして、高齢者を守るために協力し、必ずマスクを着用するよう強調しています。ダフィー大佐は高山医師同様に、米軍は地域社会の規範と期待を尊重する必要があると力説しています。
「基地外にいるときは、マスクを着用する必要があります。約2m以内に他の人と接触する可能性がる場合は、マスクを着用するべきです。私たち米軍は、沖縄のコミュニティの一員として、地域社会に対して責任を持ち、謹んで行動し、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐ役割があります。そして、私たちは感染を抑制するために、県民と一丸となっており、沖縄の地域社会を気にかけていることを伝えたいです」とダフィー大佐は語りました。
4月以降、ソーシャルディスタンスを維持できない場合、米軍人及び軍属は基地内外問わず、マスクを着用することが義務付けられています。海兵隊は、健康保護措置の順守を確保するための厳格な手順があります。
「海兵隊員として、我々の規律に誇りを持ち、あらゆるレベルの指導者が、マスクの着用、ソーシャルディスタンスを保ち、基地内外での衛生対策の強化などの予防措置を確実に実施するようにします。我々は、地域社会のパートナー、特に沖縄での新型コロナウィルスに対応する最前線立つ医療従事者、県職員及び県内の地方公共団体の職員と協力してウイルスの拡大を防ぐという高山医師の決意を共有しています」とオーウェンズ大佐は話しています。
ウイルスを抑制する闘いはまだ終わっていません。感染症には国境はありません。同じ島に住むコミュニティとして海兵隊員は沖縄県民と、基地内外でのウイルスの拡大を抑制するために協力し続けます。
「我々は完璧ではありませんが、我々のアプローチにより症例の影響を軽減することができたと思います。新たな症例が発生した場合には、引き続き適切な予防策を実施し、継続的に見直しを行い、効果的かつ適切な対応を行っていきます。我々はこれまでに県及び自治体と緊密に協力してきました。引き続き、島全体の感染状況を共に抑制できるように、地方当局と連携していきます」とオーウェンズ大佐は語りました。
Date Taken: | 11.20.2020 |
Date Posted: | 11.22.2020 21:35 |
Story ID: | 383424 |
Location: | OKINAWA, JP |
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